11絵本 雪だるま3

絵本 雪だるま3

「とけたってかまいません。ぼくは、ストーブのそばに行かなくてはならない気持ちなんです」
 イヌはあきれて、
「そんなこと言ったって、だれがあんたを部屋に入れるもんかね」
 そう言いながら小屋にもどって、目をとじました。
 雪だるまは、ただもう、ジッとストーブを見つめて立っていました。
 あたりが暗くなってくると、ストーブの火はますます赤くなって、とても美しく見えました。
 お日さまの光ともお月さまの光とも違う、おだやかですべてをつつんでくれそうな光でした。
 女中さんがときどき、ストーブの口を開けてマキをくべると、炎がサッと飛び出し、外の雪だるまの顔まで赤く赤くてらします。
「ああ、どうしてだろう?」
 雪だるまは、つぶやきました。
「ぼくは、ストーブが大好きになったらしい。なぜだかわからないけど、そばに行きたくてたまらない」
 その夜はとても寒く、女中さんの部屋のまどガラスいっぱいに、氷の花がさきました。
 寒くて気持ちがいいはずなのに、雪だるまは悲しくなりました。
 だって、氷の花がストーブの姿を、見えなくしてしまったのですから。
つづく→
?12月の行事にもどる