09絵本 雪だるま1

絵本 雪だるま1

むかしむかし、たくさん雪がふったので、ある屋敷の一番小さい男の子が、雪だるまをつくりました。
 次の日、雪だるまはひとりごとを言いました。
「へんだなあ? ぼくの体の中で、ミシミシと音がするぞ」
 雪だるまは、瓦(かわら)のかけらでできた目で、西の空を落ちていくお日さまをにらんで、またひとりごとを言いました。
「ギラギラ光ったって、ぼくはまばたきしないよ」
 そして、東の空に姿を見せ始めたお月さまを見つけると、
「なんだ、今度はあっちから出てきたのか。でも、もうギラギラするのはあきらめたみたいだな」
 雪だるまの一人ごとを聞いていた番犬は、小屋からノソノソ出てくると、ボソボソと言いました。
「ぬすみ聞きしていたようで、もうしわけないけどね。あんたがさっき見たのはお日さまで、今、空に浮かんでいるのはお月さまっていうのさ。お日さまは朝出て、お月さまは夜に出て来るんだよ。ついでにもう一つ教えておくよ。もうすぐ天気が変わる。なぜかって? 俺の左足が痛むからわかるのさ。じゃ、おやすみ」
 イヌの言ったことは、ほんとうでした。
 夜が深くなるにつれて、きりがあたりをかくし、夜明けには風がふき始めました。
つづく→
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